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Amazing adventure [旅の達人]

旅は「未知との遭遇」

人はなぜ旅に出るのか?

何事も十人十色というように、旅行の楽しみ方ももちろん人さまざま。ゆったりと豪華な旅を楽しむ人もいれば、お金を切り詰めたバックパック派の人もいるし、買い物や食事が目的の旅もあれば、世界遺産めぐりなどの観光目的の旅もある。見て歩いて写真を撮る派の人もいるし、さわってやってみて経験派の人もいるだろう。旅の形がどんなものであれ、一つ共通していることがある。映画ではないが、まさに「未知との遭遇」がそれ。旅先ではかならず新しい人々に出会い、未知のカルチャーに触れることができるからだ。

未知の扉を開ける(チュニジア)

まだまだ数こそはすくないが、あちらこちら点々と各国を旅してきた。そしてその旅で私が必ず心がけていることが、いくつかある。一つは「コミュニケーション」をとることである。イスラムの国に行けばアラビア語で挨拶を、ロシアに行けばロシア語でありがとうを、と言いたいところだが、それは結構難しい。「アッサラームアライクム」は覚えられても、「ウーマラランジャポロファボール」は覚えにくい。そこででてくるのが英語。英語はどこに言っても通じるといってもいいほど。観光先に少なからず英語の話せるフロントやウエイター、店番、一般人がいる。

出会いから旅が広がる

カポエラ教室。
蚊にたくさん食われた(ブラジル)

英語が話せれば、会話ができる。会話ができれば出会った人々とも話が弾み、友達になることだってできる。人とコミュニケーションができるようになれば、ツアーやガイドブックでは紹介されていないような穴場のレストランやアトラクションを経験することだって可能になるのだ。
ブラジルでは格闘技のカポエラのレッスンを2日間体験してきたし(行き当たりばったりでお願いして参加させてもらった(笑))、アメリカの国立公園で起きた火事の通報にも一役かったことがある。アルゼンチンでは牛の前でアコーディオンの演奏をさせてもらい、ホワイトウォーターラフティングで人の命を救うミッションに参加した。

飛行機から降りてきた友人が複雑骨折をしていて、オハイオの空港でてんてこ舞いになりながらも病院へ連れて行ったこともあった。でもこれらはどれもコミュニケーションなしではできなかったことだ。人命救急なのにお互い何を言っているのか分からないのでは人の命を救うところではないし、「アコーディオンを弾かせてくれ」と言えなくては、長い間夢見ていた牛の前でのコンサートもできない(笑)。コミュニケーションがあるからこそ、その国独特のカルチャーを体験することができるのだ。

写真を撮る

公共の井戸に朝の水汲みに来た少年(ネパール)

もう一つ、私が旅で心がけていることは「写真」を撮ることである。日本人に対するステレオタイプな意見は、<首からカメラを提げて大勢で旅行>から、<みんなで携帯電話でどこでも撮影>に変わってきたらしい。日本ではそれくらいたくさんの人が世界中を旅していて、写真を撮りまくっているようだ。

もちろん世界遺産やすばらしい景色、自分の写真や旅行先で作った友人の写真を撮ることも必須だが、私はその国の生活習慣・何気ない日常の写真を撮ることが多い。
お国柄は、その何気ない日常にたっぷりとあらわれる。アメリカ人の友人が、日本で撮ってきた写真の中にデパートの駐車場があった。日本ではほとんどの人が車をバックで入れて駐車する。日本では当たり前のことだが、アメリカではバックで駐車はほとんど見られない。友人にとっては衝撃的で目新しい光景だったようだ。雷門の写真も素敵だったが、友人が何かを感じ衝撃を受たことが分かる駐車場の写真もすばらしく、「日本人=バックで駐車=クレイジー」は、彼の一生の語り草になることだろう。

本格的な人命救助をする羽目になってしまったホワイトウォーターラフティング(アメリカ)

そのように、豆粒のようにしか見えないエベレストの写真も撮りたいが、朝の水くみに行く少年の写真も捨てがたいと言うわけだ。あまりに興奮しすぎてすっかり写真を撮るのを忘れてしまうことも多々あるが、日本人は写真を撮りすぎると言われようが言われまいが、思い出を見て語ることのできる写真はすばらしいのだ。

旅行は人々の知識と教養、経験、視野を広げることのできる、すばらしいものだ。楽しい思い出も、苦い重いでも、写真を見ながら語ればどれもすべて興味深い経験話になる。私たちが旅行へ行くのはやはり「未経験の経験」を楽しむためだろう。次の「未知との遭遇」も、忘れることのできないアメイジング・アドベンチャーになることを願ってやまない。


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